2012年5月29日火曜日

その8



破産と夜の店


私名義の借金が300万あった。

払えるわけもなく、お財布の中は小銭しかなかった。

もう帰る家は無い。

沢山の借金取りから逃げ回るため車で寝泊まりした。

娘はキャンプみたいと喜んでいたが、生きる術を考え無ければいけない。

給料までの生活を考え日銭になる仕事を探す。

少し大きな街に行き、求人のありそうな店を見て回る。

一人なら死ねたかも知れない。

だが私には可愛い娘がいる。

私はもうダメかも知れない。

でも娘には幸せを知って欲しかった。

いくつか目の店で働けることになった。

いわゆる水商売。

住むところも、準備してくれる。

少しばかりの着替えを取りに帰り、新しい我が家で娘を抱きしめた。

夜一人になる娘に謝りながら留守番を教える。

そして借金をあのままにしても置けず、自分で破産手続をした。

普通は弁護士さんに頼むんですよと役所の人が親切に教えてくれた。

だがその弁護士さんに頼むお金も無かった。

生活保護の相談もしたが、実家に連絡が行くと聞きやめた。

あの監視つきの牢獄に娘と住むなんてイヤだ。

金融会社と何度かの連絡を行い比較的簡単に破産宣告を受けた。

本当のZEROからの・・イヤ!マイナスからの旅立ちだ。

店の準備してくれた部屋は、私の借金になっていた。

破産宣告なんか関係ない裏の金融。

高すぎるその金利を払うため毎日店に出た。

飲みたくもない酒を飲み、笑いたくないのに笑い

朝方やっと本当の私で、娘を抱きつかの間の休息をとる。

もう私の幸せは見えなかった。

私がもっと「可愛げの」ある子だったら、もっと違う生き方があったろう。

高い金利を払い終わる頃、2度目の恋をした。

こんな「だめな」私に、好きだと言ってくれる人。

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