歪んだ家庭
一応働く意思はあるようで、仕事を探してくるが、長くても1週間。
そのうち怪しげな仕事にも手を出し、それらしく見えないとと
洋服代だ,飲み代だと逆にお金を持ち出す始末。
ちょっとと口を挟むと、彼はすぐに自分の荷物をまとめ出す。
捨てられるのが怖かった。
店が終わり家に帰ると、彼がいない。
心配していると警察からの呼び出し・・。
また違う日に、彼がいない。
また警察かと思っていると、今度はたくさんの浮気の証拠を持って帰ってくる。
でも言えなかった。
女のためにと嘘を付きお金を持ち出されても
それでも真偽を問い詰められなかった。
いつの間にか、彼に嫌われないように彼の顔色をみる癖がついていた。
彼は、娘の父親であろうとする事だけは、懸命にしてくれた。
授業参観に顔を出し、娘の宿題を見て・・。
娘もとても懐いていた。
嫌われないように、すてられないように、
私が笑って我慢してさえすればなんの問題もない、
お父さんが笑いお母さんが笑う理想の家族。
何年か家族で過ごすうちに、彼もすこしずつ大人の男になってきた。
不妊症だと諦めていた私が妊娠。
血の繋がる我が子を抱き、仕事に励むようになってくれた彼。
相変わらず女の気配はある。
でも遊びだから大丈夫。
これできっと幸せは続く。
彼の顔色を見る私には、彼の私への愛は最初の数月しか無かったことも
知っていた。
それでも好きだった。
もう男と女ではないけれど、父親と母親・・
そして家族としては暮らせるはず。
彼が私に母親を求めるならば、3人の子持ちだと思い生きればいい。
私は大丈夫。
誰もいない出勤中の車で号泣することで自分を抑えることができる。

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